鉄筋コンクリート住宅(RC造)は一見すべて同じように見えますが、
実は構造方式によって、住み心地・強度・デザイン性・コストが大きく変わります。
RC住宅で代表的な構造が、以下の2つです。
- 壁式RC造(壁構造)
- ラーメン構造(柱+梁構造)
どちらが優れている、という単純な話ではなく、
求める暮らし方・空間性に応じて適切な構造を選ぶことが重要です。
1. 壁式RC造(壁構造)とは
特徴
壁式RC造は、壁そのものが構造体となり、建物を支える工法です。
柱や梁を強調せず、壁面で“面”として力を受け止めるため、建物全体が箱のように強固で歪みにくいのが大きな特徴。
メリット
- 耐震性が非常に高い(揺れに強い箱構造)
- 壁・床・天井が一体化 → 遮音性が極めて高い
- 振動を吸収しにくい → 生活音・外部音が伝わりにくい
- 構造体の劣化が遅く 長寿命(50〜100年以上)
- 遮音性が高く、室内が静かで落ち着いた空間になる
- 室内に柱型や梁型が出ないので使い勝手が良い空間になる
デメリット
- 大開口や大スパン(大きな吹抜など)は設計自由度が制限される
- 設計・施工に高い専門性が必要(会社の実力差が出る)
向いている住宅
- 静けさ・安心感・落ち着いた暮らしを重視する家
- 中庭・地下室など、閉じたプライバシー性の高い空間構成
2. ラーメン構造(柱+梁構造)とは
特徴
ラーメン構造は、柱と梁のフレームで建物を支える工法です。
ビル・マンションで一般的に採用される構造で、大きな開口や大空間をつくりやすいのが最大の強みです。
メリット
- 大きな窓開口が可能 → 明るい開放的な空間を作れる
- 吹抜・大空間LDKなどスケールのあるデザインに向く
- 将来の間取り変更にも比較的対応しやすい
デメリット
- 壁式に比べて揺れに弱い(変形しやすい)
- 柱・梁が露出しやすい → 意匠的に制約が出る場合がある
- 遮音性は壁式に比べて低い(特に上下階)
- 施工精度によってはクラック・たわみが発生しやすい
向いている住宅
- 吹抜・大窓・ギャラリー空間など、開放感を求める住宅
3. 住み心地はどちらが優れている?
| 比較項目 | 壁式RC造 | ラーメン構造 |
|---|---|---|
| 耐震性 | 非常に強い(剛構造) | 中程度〜高(設計次第) |
| 遮音性(上下/隣室) | 圧倒的に優れる | 壁式より劣る |
| 開放感・大空間 | 制約がある | 非常に得意 |
| デザイン自由度 | 設計者の力量依存 | 自由度が高い |
| コスト | 中〜高 | 高〜非常に高 |
4. 結論:どちらを選ぶべきか
- 静かで落ち着いた暮らし・プライバシー性・耐震性を重視
→ 壁式RC造が最適 - 大きな窓・吹抜・ギャラリー性・象徴的な空間を重視
→ ラーメン構造が向く
5. “同じRC造でも家の品質が変わる”という事実
RC住宅は、材料ではなく「設計者と現場管理の技量」で性能が決まります。
- 壁厚・スラブ厚
- 鉄筋量
- コンクリートの打設工程管理
- 型枠精度
これらが適切でなければ、
遮音性も耐久性も一気に落ちます。
つまり、
「どの構造形式にするか」以上に、
「誰が設計し、誰が施工を管理するか」が重要です。
株式会社RC design studioは高級RC住宅に特化した建築設計事務所です。
壁式鉄筋コンクリート構造専門店として活動していて、壁式鉄筋コンクリート造の魅力を最大限引き出す事が出来る設計事務所です。
興味がある方は以下のリンクからHPとユーチューブ、インスタグラムをご視聴下さい。